沖縄商工会議所から声を掛けていただき、講演に行ったことがある。テーマは、音楽によるまちづくり。音楽をテーマに講演するのは初めてのこと。
沖縄市はかつてのコザ市であり、米軍の嘉手納(かでな)基地がある。市内にはライブハウスが数多くあり、その時に案内されて聞いた話である。
ベトナム戦争が泥沼化していた時期に、ベトナムへ派遣される米兵がライブハウスにやって来る。明日はベトナムで戦死するかもしれない。演奏がうまくなかったり、ミスをするとビール瓶がステージに飛んできたというから恐ろしい。沖縄の音楽のレベルが高いのは、そうした命懸けの演奏があったのであろう。
話を戻す。基調講演の後で、パネルディスカッションのコーディネーターを務めた。パネリストのひとりに、当初は、りんけんバンドの照屋林賢が予定されていた。実は、彼らの曲は聴いたことがなかったので、急遽、CDをレンタルした。
当日、かっちゃんと呼ばれる還暦のロックン・ローラーこと川満勝弘がピンチヒッターに。その発言には迫力があった。後で聞いたところ、沖縄のロック界の重鎮であるという。ステージで鶏を捻(ひね)り生き血を飲むパフォーマンスもするということであった。
沖縄のミュージシャンは半端ではない。